
お兄さまが以前からずっと追求してきたことがある。
「もう一つの名前」で「もう一つの世界」を生きる。ということ。
人間はリアルの世界では生まれてきた環境や色んなしがらみによって、やりたいことが出来ないことも多々あるし、その人が本当に持っている潜在的な能力を発揮できていないことも多い。
今のリアル世界はけっして生きやすい世の中ではないと思う。
だから、お兄さまは以前から「匿名の可能性」とか「もう一つの名前を持つこと」を追求してきた。そしてそれを持って「もう一つの世界」で人の可能性を開花させることを試みてきた。自分がそれを実践することで。
当時、わたしはお兄さまが何を言っているのかよくわからなかったけれど、このエオルゼアの世界に来て「もう一つの世界」があることを理解した。
ここはただのゲームの世界ではなかった。色んな人が生活している「もう一つの世界 “たりえる” 世界」だった。
リアルの世界と同じように、街中にはたくさんの人がいて、みんな思い思いにオシャレして、お買い物したり、会話したり、時には喧嘩や揉め事もあって。リアルの世界とまったく変わらない「人が生活している世界」がここにはあった。
ここでは「なりたい自分」になれる。見た目も、人物像も。もちろん限度や制限はあるものの。制限があるからこそ人が輝けるという部分も、良くも悪くもリアルな世界と同じ。
そしてこの世界では、あらかじめ用意されたゲームの環境から飛び出して、色んな才能を発揮している人もいる。映画を創ったり、音楽を創ったり、文学作品を書いたり。
それこそ、本来持っていた潜在能力が開花したわかりやすい例と言ってもいい。
ここはゲームの要素があるだけではない「もう一つの世界」。
きっとメタバースやVRが今目指している世界が既にここにあった。
このエオルゼアというMMOの世界はひとつの例だけど、インターネットのある今の世界なら、きっと「もう一つの名前」があればなんだってできる。
そして「もう一つの名前」はいくつあってもいいし、「もう一つの世界」もいくつあってもいい。
色んな名前でそれぞれの創作活動やお仕事をして、新たな世界を生きていけばいい。
それぞれが、いつか繋がってもいいし、繋がらずにずっとパラレルであってもいい。
「人の可能性」が広がれば、人は閉塞感から解放され、生きやすくなり、そして人類は穏やかで優しい生き物になれるかもしれない。みんな隣の人に優しくできて、それが連鎖していけば、世界から争いが減って平和になるかもしれない。
だから、みんな「もう一つの名前」で「もう一つの世界」を生きることをもう迷う必要はないし、ためらわないでほしい。と思う。
わたしはお兄さまがずっと前から追求してきた……
『人類の可能性の開花』を今は心から願っているのです。
from: ノリコ ノート



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